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鼻炎アレルギー


鼻アレルギーは、「くしゃみ」「鼻みず」「鼻づまり」「目の充血」などの症状が現れ、ときに喘息症状も伴う病気です。発作は起床時などに起こりやすく、普通1~2時問で白然におさまります。

【鼻アレルギーの分類とその原因】
この病気は素因と深い関係があり、親が気管支喘息や鼻アレルギーの場合、子供にもこの病気がでやすくなります。
一般的に鼻アレルギーは、1.季節性アレルギー 2.非季節性(通年性)アレルギー 3.その他のアレルギーに分けることができます。

1.季節性アレルギー(発作時が一年のうちある特定の期問に限られるもの)
花粉症が代表的で、最も多いのがスギ花粉症であり、春になると非常に多く見られます。スギ花粉が多数飛散する地域では、住民の6から7%に本花粉症があるという報告もあります。その他に北海道の牧草やヨモギ花粉症など地域的に特有な花粉症もあります。

2.非季節性(通年性)アレルギー
室内塵(ハウスダスト)アレルギーがその代表で、様々な真菌類によるアレルギーがこれに次ます。
室内塵の主な成分はチリダニであり、家庭のほこり1g中に平均100匹のチリダニが発見できると言われています。

ワンポイントアドバイス
ダニの退治除湿と清潔がポイント……・窓を開けて換気を良くする。・布団の日光干をする。・掃除や洗濯でエサとなるホコリをへらす。ダニの死骸やふんを取り除く。・「電気掃除機、加熱(50から60℃約1時問で死滅)寝具の水洗」

3.その他のアレルギー
(ア)職業性アレルギー(原因となる物質に曝露されて発症するもの)
リンゴ花粉症、イチゴ花粉症、バラ花粉症など、多種類の花粉に職業的に接触する人達に発症す
るアレルギー
(イ)薬剤アレルギー(アスピリンなどの薬剤により発症するもの)などがあります。
鼻アレルギーは文明病とも言われ、日本でも近年増えつつあります。大気汚染やストレスなども、この病気を発症しやすくさせているとの報告もあります。

【鼻アレルギーの治療】
鼻アレルギーの症状がでたら、まずアレルゲンが何かをみつけることです。アレルゲンとなるものは、前述のように花粉、ハウスダスト、かび、動物の毛などい ろいろあります。病院で皮膚反応などの検査を受けアレルゲンがわかれば、それを避けることが治療の第一歩になります。家の中を清潔にし、日当たりを良く し、乾燥を保つことによってハウスダストはかなり除かれます。また、スギ花粉症などの季節性アレルギーは、その期間にマスクをしたり、外出をひかえること も大切です。しかしながら、アレルゲンを完全に除去することは不可能です。

1.薬物療法(薬により症状を抑える対症療法)
鼻アレルギーの治療薬は豊富で、その薬理作用は多彩であるので、病型や重症度に応じて適切な薬剤(抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、副腎皮質ステロイド剤、血管収縮剤など)を使用します。
これらの治療薬は、内服薬や注射薬による全身療法と、鼻腔への噴霧や点鼻による局所療法があります。注射は極めて重症な症例か緊急やむえない時に使います。
大部分の鼻アレルギーは、内服薬と局所療法の併用で制御可能です。ただし妊娠中に使わないのが普通です。
鼻炎症状の緩和に用いる「鼻炎用内服薬」が配置薬として認められています。
主成分は抗ヒスタミン剤です。薬理学にはアレルギー反応を起こすH受容体を遮断することにより効果があらわれるのです。副作用の一番は眠気を催すことです。そのほか口渇、便秘、視力障害、排尿障害などをきたしますので注意が必要です。

2.滅感作療法
アレルゲン(アレルギーの原因物質)が明らかな場合、そのアレルゲンエキスのごく少量より注射を開始し、次第に量を増やしてアレルゲンに対する耐性を得させようとする方法です。治療には数カ月から1年ほど要しますが、必ず確実な効果を得られるとは限りません。

3.外科的治療法
気管支喘息などの合併症がない場合に、アレルギー反応を起こす鼻の組織を一部切り取る方法です。
鼻アレルギーの治療法に"根本的かつ特効的"なものがないのが現状です。
環境に配慮し、マスク等の自衛策もとりながら、アレルギー症状をやわらげる鼻炎用薬を上手に使いましょう。


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